MENU
PVアクセスランキング にほんブログ村

遺族側の会見と今後の宝塚歌劇団

この件をブログで扱うのは、事件直後以来。

まだ劇団がこれからどう対応するのか、大劇場での宙組の公演はいつまで休演するかが決まる前でした。

それから宝塚歌劇団は10月7日の午前と午後に会見を開き、午前は木場理事長、午後は渡辺企画室長がそれぞれ対応。

阪急とは接点のない外部の弁護士による調査チームの設置、そのチームによる生徒へのヒアリング、カウンセラーの派遣など様々な対策を取るとの発表とそれに向けた動きがありました。

生徒へのヒアリングは時間がかかる事が想定されたし、慎重に行ってほしいと思っていたので調査結果が出るのがどれくらいかかろうと、ただその時を待っていました。

その間に週刊誌に毎週書かれようと、調査結果が出るまでは静観していようと思い、何もブログでは書きませんでした。

しかし11月10日(金)に遺族側の代理人弁護士が記者会見を開き、そこで述べられた事件の概要と遺族のコメントを聞き、いちファンとしての思いを書くに至りました。

目次

ご両親と妹で作成された遺族コメント

まず記者会見を知る前に、今回急死した団員の他組に所属する妹の次公演全日程休演を知りました。

その時点で、それはそうだよねという思いで、ずっしりとした感情になりました。

そして記者会見で明かされた遺族のコメント(以下全文)

娘の笑顔が大好きでした。  

その笑顔に私たちは癒やされ、励まされ、幸せをもらってきました。

けれど、その笑顔は日に日に無くなっていき、あの日、変わり果てた姿となり二度と見ることができなくなってしまいました。

くりくり動く大きな瞳も、柔らかい頬も、いとおしい声も、何もかも私たちから奪われてしまいました。

「どんなつらいことがあっても舞台に立っている時は忘れられる」と娘は言っていました。けれど、それを上回るつらさは、忘れられる量をはるかに超えていました。

宝塚歌劇団に入ったこと、何より、宙組に配属されたことがこの結果を招いたのです。

 本当なら、今年の夏に退団する予定でしたが、突然の同期2人の退団の意向を知り、新人公演の長としての責任感から、来春に延期せざるを得なくなりました。

それは、娘自身のためではなく、自分が辞めたら1人になってしまう同期のため、そして下級生のためでした。  

あの時「自分のことだけを考えなさい」と強く言って辞めさせるべきでした。 なぜそう言ってやらなかったのか、どれだけ後悔してもしきれません。  

大劇場公演のお稽古が始まった8月半ば以降、娘の笑顔は日ごとに減ってつらく苦しそうな表情に変わっていきました。

それは、新人公演の責任者として押し付けられた膨大な仕事量により睡眠時間も取れず、その上、日に日に指導などという言葉は当てはまらない、強烈なパワハラを上級生から受けていたからです。その時の娘の疲れ果てた姿が脳裏から離れません。

そばにいたのにもかかわらず、切羽詰まっていた娘を救えなかったというやりきれない思いに苛(さいな)まれ続けています。  

劇団は、娘が何度も何度も真実を訴え、助けを求めたにもかかわらず、それを無視し捏造(ねつぞう)隠蔽(いんぺい)を繰り返しました。

心身共に疲れ果てた様子の娘に何度も「そんな所へ行かなくていい、もう辞めたらいい」と止めましたが、娘は「そんなことをしたら上級生に何を言われるか、何をされるか分からない、そんなことをしたらもう怖くて劇団には一生行けない」と涙を流しながら必死に訴えてきました。

25歳の若さで、生きる道を閉ざされ、奪われてしまった娘の苦しみ、そして、あの日どんな思いで劇団を後にしたのかと考えると、胸が張り裂けそうです。

私たちは、声を上げることもできず、ひたすら耐え、堪え、頑張り続けてきた娘に代わって、常軌を逸した長時間労働により、娘を極度の過労状態に置きながら、これを見て見ぬふりをしてきた劇団が、その責任を認め謝罪すること、そして指導などという言葉では言い逃れできないパワハラを行った上級生が、その責任を認め謝罪することを求めます。

https://news.yahoo.co.jp/articles/172f54845fc339f4a47d241b6fff9a4eb8bd667d

このコメントを読んだ時、勤務中でしたが本当にいたたまれなくなり、泣きそうになりました。

そしてこのコメントは、ご両親と妹で作成されたようで、まだ在団中の妹もこのコメントの作成に加わり、発表している事に彼女の相当な覚悟と、このコメントを出さざるを得ない事態の重さが伺い知れました。

週刊誌と一致する上級生のパワハラ

記者会見と遺族のコメントを見て驚いたのが、その上級生の行き過ぎた言動。

「嘘つき野郎」「マインドが足りない」「下級生の失敗は全てあんたのせい」

そしてアイロン事件。

これらは元々は初めに週刊誌に掲載されていたものと極めて似ており、出自は宙組生徒、劇団関係者などの証言として何週にもわたって掲載されていました。

週刊誌を読んだ当時としての感想は、本当の事もあるかもしれないけど、それを記者が大げさに、世間の関心を引くように書いているのだろうと思い、信ぴょう性もないし鵜呑みにしないでおこうと思っていました。

しかしこの遺族側の記者会見で、週刊誌に載った宙組生や劇団関係者とやらの証言も事実なのだと思わざるを得ない事に衝撃を受けました。

LINEなどの証拠も綿密な調査のうえ残っているようです。

浮彫になる劇団の対応のマズさ

事の発端は今年の2月に週刊誌に掲載された、アイロンを上級生が今回の被害者の額に押し当てたという記事。

これを当初劇団はホームページにて「両当事者から記事のような事はないと明言があり事実無根」と発表しました。

遺族のコメントにもあるように、この時被害者は劇団関係者に助けを求めていたようですが対応される事は無く、事実無根にされたことで逆に組内での立場が針のむしろになったのではないかと想像してしまいます。

そして「事実無根」としたアイロン事件を上記の11月7日の会見では「アイロンが当たった事実はあった」と一変、しかもまだ調査も何も始まっていない段階で【劇団としては“いじめ”という事案があるとは考えていない。加害者も被害者もおりません】と語っていました。

この場面での渡辺企画室長は、癖なのかニヤニヤとしながら話しており大変印象が悪く、現在ワイドショーでこの場面が何度も使用されています。

渡辺企画室長がどの程度の立場の人かは分かりませんが、このような事態でニヤニヤ話してしまう癖がある人を会見に出した判断はどうなのでしょうか。

上記の会見を見た遺族は【劇団が責任を認めるような言動は全くなかった】という印象を受け、今回弁護士に相談を依頼したと記者会見で明らかにされています。

何より宙組に配属されたことがこの結果を招いた、という言葉の重み

遺族コメントでとても印象に残る一文です。

このコメントから察するにやはり宙組の組内の雰囲気は他組と比べて異様だったのではないかと思われます。

同じく他組に所属する妹がいるからこそ、出たコメントなのだと感じました。

ファンからしても、事件が起こる前から不自然な退団が相次いでいて不思議でした。

【指導などという言葉では言い逃れできないパワハラを行った上級生が、その責任を認め謝罪することを求めます。】という遺族のコメントにあるように、上級生の謝罪も今回の遺族の要求に含まれています。

上級生からしたら、もしかしたら今まで自分が受けてきた先輩からの指導を、という主張があるかもしれません。

しかし「嘘つき野郎」「全てあんたのせき」はもう指導関係ないし、「マインドが足りない」だけでは具体的な指導にならないし、アイロンの件が故意なら傷害罪にもあたる、事故だったとしても「わざとではないよね」と上級生達が詰め寄ったとの状況が本当であれば、これはやはりパワハラ、強要、隠匿にあたるだろうと思います。

劇団に何を望むか

私としては、近日中に劇団から公開される調査報告と今後の方針を見ないとまだ何とも言えないですが、これが劇団のラストチャンスなんじゃないかと思う状況にまできていると思います。

調査結果が出てから話し合いをしたいと遺族を待たせ、結果も出ていないのにいじめはなかったと会見し、今では連日ワイドショーやニュースに取り上げられ、日本中の知るところとなりました。

後手後手にまわって世間からの印象も信用も地に落ちています。

今回も対応を間違えれば、本当にもう後はないと思います。

今後楽しみにしていた公演もありますが、公演の再開を急ぐあまり雑な対応はしてほしくないし、ご遺族の要求に全て誠実に対応してほしい。

そのためだったら、いくらでも幕が開くのを待つつもりです。

もちろんこれは個人の意見です。

早く幕が開いてほしいファンがいるのも当然の事と思います。

しかし一部の過激なファンは、幕が開かない事を遺族のせいだとSNSなどで誹謗中傷している人もいます。

どうかそれだけは、やめてほしい。絶対にやってはいけない。

今は劇団の調査発表を待つ事しかできませんが、どうか誠実な対応がなされるよう願うのみです。

長文読んでいただきありがとうございました。

↓共感頂ければクリックお願いします。励みになります。

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次