ようやく観てきました宝塚版RRR。
まだまだ上がいるのは承知で、ガチ勢とかヅカヲタとか言うのもおこがましいタイトルだとは思いますが、長年宝塚の劇場に通い続けてきた私が、去年とんでもなくドハマり&リピート&周りに布教しまくったインド映画「RRR」
初めて映画を観た時から(これ宝塚で演ってほしい!ナートゥの場面だけでも頼む!)と思っていたので、舞台化されると聞いた時には飛び上がるくらい嬉しかったです。夢のマリアージュすぎる。
とはいえ、好きな物同士の融合だからこそ、観劇前に多少の不安があったのは事実です。その不安は解消されたのか?
なんとかして掴んだチケットを握りしめ、観劇した感想を極力ネタバレなしで書いていきます。
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3時間の映画が1時間半に
舞台を観終わった感想としては「ほんとよく1時間半にまとめたな!」の一言に尽きます。脱帽です。
実際の映画は3時間の超大作。しかもRRRにはカットしても良いような無駄な場面が一切なく、ビームに焦点を当てたとしても時間足りるの?カットしまくって薄い話になったら嫌だな…これが観劇前に感じた不安の一つでした。
なぜ3時間近く公演できる一本ものにしなかったのか疑問でしたが、しかし1時間半でもかなり満足できる内容でした。
映画で印象に残った場面は結構あったし、台詞も割と映画そのままに忠実でした。
むしろ映画で分かりにくかった箇所に分かりやすい台詞を入れて、見やすく工夫されている所もありました。
やむなくカットや改変になった箇所もあるけど、それも原作の雰囲気やストーリーをぶち壊すようなものではなく「そう来たか!」と感心する程のものでした。
ただ、これは事前に何度も映画を見て、ストーリーや人物を把握していたからそう思えた部分もあるかもしれないなとも思いました。
特に前半はどうしても駆け足に話が詰め込まれていた印象で、映画を見ずに初見で舞台を観ると、突然起こる火事や急に育まれる友情、対立などの状況を飲み込めるのかな?と他人事ながらに心配にはなりました。
魚釣りの少年の救出劇は、舞台上に人も多いし動きも多い、同時に色々な展開が起こるので1回だけでは何が起こっているのか全て把握するには目が足りないかもしれないなと感じました。
ただ何度も映画を見ていると、舞台上でも魚釣りの少年が母親に再会したり、救出後に村人に食べ物をオススメされていたり、盆が回る中で徐々に友情が育まれていき、ラーマが似顔絵でビームを探している描写もあの短い時間で網羅されている事に気付く事ができて楽しかったし感心しました。
あれは何度も劇場に通ってじっくり見たい。
ビームのビジュアルが違いすぎる?
観劇前2つ目の不安が、主人公ビームのビジュアルが映画と全然違う事でした。
ポスターが出た時、インドが舞台のはずなのに太王四神記?と思いました。
宝塚のトップスターが髭モジャ姿は流石に無理だとしても、もう少しビームに寄せてほしいなぁというのが観劇前の正直な感想でした。
これだとイケ男すぎる、ジェニーにも余裕そう、ビームは森で生まれ、おしゃれとかファッションは分からん純朴な男なんや!というちょっとそこは厄介な原作厨みたいになってしまったんですが、観劇後にその不満はおさまりました。
確かに見た目はイケてる。
衣装も宝塚のトップスターゆえ、周りの仲間達が纏うような簡素な服ではなく、修理工で働いている時も、潜伏生活をしている時も、いかなる時にも常に特注品みたいな服を用意されてしまう…!
パーティ前に「パーティに着ていく服がない…」と嘆いてラーマから新調されるシャツよりも、むしろそっちの方が豪華なのでは?と、宝塚スターシステムゆえの衣装の豪華さにツッコミたくなる所はありました。
しかし仲間に親しまれるリーダー感、優しさ、そしてジェニーと話す時の女性に対するオドオドとした話し方は演技でよくビームを表現されていました。
結構派手目に見えたビームの衣装も、よく見ると豪華な装飾を除けば、色や形はわりと映画通りに再現されているんですよね。
確かに宝塚でずっと汚れた布みたいなのを纏っているわけにもいかないし、トップスターにしては今回衣装の種類が少なかったと思うので、そこで相殺されているのかなとも思いました。
あと、ビジュアルで言えばナートゥでお馴染み、嫌味なイギリス紳士ジェイクにも髭が無かったのが当初は残念で、むしろあの形の髭なら宝塚的には有りだろ!と観劇前は思ったんですが、観劇後、あれは違う世界線のジェイクなので、あえて映画と同じようなビジュアルにはしなかったのだろう、という結論が自分の中で出て腑に落ちました。
ラーマとシータは割と原作に忠実なビジュアルでした。
猛獣とか肩車とかどうするの?
映画でしか表現できない場面をどう舞台で表現するのだろう。
これはとても興味がありました。映画を見た人なら絶対に疑問に思う事だと思います。
鉄道事故、放たれる猛獣、自由自在な水と炎、肩車など
この辺りがどうなったのかは舞台を観てぜひ感心してほしい。
こうすれば良いのか!という斬新な発想とストーリー展開。
1つだけネタバレすると、水や炎は大袈裟なCGに頼らず役者で表現。これがまた、ただのダンサーとかモブ要因ではなくて、みんなきちんと機能しているんですよね。無駄がない。
特に炎の表現は凄かったです。シンプルなセットなのに布を揺らめかせると生地と照明の具合で本当に炎に見えます。「布だぜ?」って感じなのに。こういった炎や水の表現は舞台ならではだなと思いました。
この作品の脚本・演出を手掛けた谷先生のアイデア力、ストーリー構成、思い切りの良さは、イケコ(小池修一郎)の登板が危ぶまれる今、とても頼もしい演出家だと思います。
音楽は映画オリジナルが使われるの?
最後に一番感動したのが、音楽も映画の曲がたくさん使われていた事。
版権物なので、曲がほぼ宝塚オリジナルに変わっていたらどうしようと不安だったのですが、ほとんど映画そのままの音楽を使っていて、数曲、宝塚作のオリジナルがありました。
幕開き「アーディラーバードの森」は、曲も場面も映画と全く同じスタートの流れで感動。
スコット総督が鹿を狩ってくる場面までしっかりと再現されていました。というか始まりのディカダンディカダン言ってる曲、あれ再現可能なんだとびっくりしました。
他にも、お馴染みナートゥだったりコムラムビームなどの名曲が次々と日本語化されて歌われるのですが、あのリズムに日本語を当てて歌うのが凄すぎる。
流石、歌とダンスに秀でた今の星組だからこそ公演できる演目だなと思いました。
というか全力でお芝居してナートゥ踊りながら歌うって体力が超人すぎる。
最後のエッタラジェンダ(ムル)の爽快感が半端ないです。みんなニコニコ可愛い。
歌無しのサントラも数多く登場し、特に私はラーマのテーマ曲「The Fire」というトランペットのファンファーレみたいな曲が大好きなので、それも何度か出てきて嬉しかったです。
まとめ
長々と書きましたが、まとめると
- 台詞、音楽など映画にわりと忠実
- 舞台ならではの表現力、アイデアが凄い
- カットされたり改変はあるけど割と納得できる流れ
- 最後に向かっていく爽快感は映画と同じ!大団円のムルが最高
- 終演後必ず何度も見たくなるのも映画と同じ
宝塚星組版「RRR」めちゃくちゃ楽しかったし良かったです!!
ナートゥやムルで手拍子が起こるので、会場全体で楽しめたのも劇場ならでは。
そして2月4日(日)宝塚RRRの千秋楽の模様が配信されます。映画館からでもご自宅からでも!(詳細はこちら)←宝塚歌劇団のHPに飛びます。
まだ舞台を観る前の方は時間があればぜひ映画を見てからの観劇をオススメします。
もう舞台を観た方も、これを見れば駆け足だった前半のストーリーもじっくりと確認できます。
いずれにせよ、映画版見て後悔は無いです。
気になった方はぜひチェックしてみて下さい。
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