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独立記念日の過ごし方

7月4日はアメリカ独立記念日である。

独立記念日とは1776年にアメリカ独立宣言が公布された事を記念して毎年7月4日に定めらた記念日の事。「インディペンデンスデイ」や「7月4日に生まれて」など独立記念日にちなんだ有名な映画も数多くあり、一度は耳にした事があるのではないだろうか。しかし具体的にどういった事をする日であるか日本ではあまり知られていない。実際私もアメリカに留学するまでは全くどんな事をする日なのか知らなかった。そこで今日はアメリカで過ごした独立記念日の思い出と写真を元に一体どんな日だったのかを書き記していきたいと思う。ちなみに私の場合、独立記念日はシアトルで過ごしているので地域によって違いはあるかもしれない。

まず独立記念日は当然のようにほとんどの学校や企業はお休みであり堂々たる祝日である。

クリスマス、年越しに次いでアメリカ中の老若男女が盛り上がる国民的行事であり下手したら年越しよりも盛り上がってるんじゃないかなって思う。なんといってもだいたい気候がスカッと晴れた夏になっているのでそりゃもうみんなハチャメチャに開放的になる。パーティピーポー気質なアメリカ人が最もそのパーティピーポーっぷりを発揮する日といっても過言ではないだろう。

具体的に何をするのかを見ていこう。

まず多くは家族や親戚で集まって手料理を食べたりテレビやDVDを見たりして過ごす。友人や親戚で集まってのんびりホームパーティでくつろいでいる。

f:id:nmrozk:20160705221919j:plain【パーティで出てきた砂糖とバタークリームで塗り固められたお手製独立記念日ケーキ。アメリカのケーキには生クリームの概念が存在しない。歯が溶けそうなくらい甘い。】

ビーチでバーベキューを楽しんだり自家用クルーザーやヨットで湖に繰り出すのも人気の過ごし方である。シアトルは海や湖に囲まれているのでこのような光景を見ることが多い。

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【湖でピクニックを楽しむ市民】

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【夜は海で焚き火を囲んでお酒を飲んだりギターを弾いたりしていた。燃料がポップコーンな所がいかにもアメリカっぽい】

街ではパレードが繰り広げられていて、様々な衣装に身を包んだ市民達が陽気に踊り、独立宣言文を読み上げ、空砲を打ち鳴らしたりとにかく賑やか、ショッピングモールは大々的にセールが行われている。(ただし営業時間は短くなる所も)

大きな広場や公園では音楽フェスティバルが催されプロアマ問わずアーティストや観客が大勢集う。

シアトルは世界的に有名なミュージシャンを多く排出している事で有名な街でもある。

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【いつか見たいと憧れていたジミ・ヘンドリックス像。思ってたより小さかった】

音楽会場の傍らではホットドッグの長さの世界記録を更新をしようとしていたりやたらホットドッグのイベントが目立った。これは日本でも少し知られていると思うが独立記念日に開催されるニューヨークでのホットドッグ早食い大会は全米に生中継されており、ホームパーティ組は自然とこれを見る流れになる。私が見た回では日本人の小林尊が優勝していた。早食い大会における日本人の脅威はすごいものだそうで、特に小林尊は彼らの中で有名なフードファイターであり彼らはみな小林を応援していた。リビングで炭酸飲料と独立記念日ケーキを片手に固唾を呑んで見守るのもまた独立記念日の醍醐味である。

そして忘れてはならないのが花火大会だ。日中それぞれ目いっぱいの過ごし方をした彼らは記念日の締めとして夜に開催される花火大会を心から楽しみにしている。

多くの都市では花火が打ち上げられるので、その場で鑑賞する者もテレビで楽しむ者も皆それぞれ。また個人的に花火を持ち寄り各自で花火パーティを楽しむ者もいる。これが何より忘れられない思い出となった。

私が過ごしたシアトル(ワシントン州)の多くの地域では個人での花火所持および使用、販売が禁止されており、独立記念日のみの使用が許可されていた。つまり独立記念日にしか花火ができない。好きな時にコンビニで花火を買い、そこらの軒先でいつでも花火ができる私たち日本人からすれば全く信じられないくらいに花火の条件をガチガチに固められた彼らは年に一度開放される自由な花火デーにかなり情熱を燃やしていた。

まず花火を手に入れるまで。もともと花火の販売が禁止されているので普通のお店では手に入らない。ではどこで花火を入手できるのかといえば答えはインディアン特別居留地区である。かつて白人から土地を奪われたインディアン(ネイティブアメリカ人)はその背景から各地に特別居留地を設けられ多くはそこに暮らしている。その居留地の中ではアメリカの法律が適用されずその居留地の法が適用されるのだそう。つまりはアメリカの法律で禁止されている花火の販売禁止という法律は適用されないのでここでなら花火を販売してもなんら問題はないのである。

そんな事情を聞きながら都市部から車で1時間半くらいの距離にある居留地に向かったが(花火を車で片道1時間半もかけて買いに行く情熱…!)そこには花火を売る屋台が所狭しとざっと100軒以上軒を連ねていた。

ここで売られている花火は日本でいう手持ち花火や線香花火みたいな可愛いものが全然なく、ロケット花火やクラッカー、なんか爆薬みたいな物がメインであった。

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【「使用は自己責任で。いかなる結果になろうと我々は責任を負いません」という如何にもアメリカらしい注意書き】

気になる花火をゲットしたら帰宅の前に我慢できなくなった彼らが試し打ちできる広場もある。

f:id:nmrozk:20160705224941j:plain【広場っていうかみんなやりすぎて焼け野が原みたいになってる場所。もはや試し打ちってレベルではない。情熱がすごい】

そんなこんなでまた1時間半かけて帰路に着き、私も花火に参加させてもらうことに。俺たちの花火大会が今、始まる・・・!

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f:id:nmrozk:20160705225519j:plain【なんやかんやあって散乱するバールのような物と着火された花火のような物】

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【とりあえず少しでも光と音があればみんな歓喜】

なんか遊び方が私たちの知ってるそれとは全然違った。花火をヤカンやデカいドラム缶に詰めて爆発させていた気がするし爆竹(もう花火じゃない)を地面にめちゃくちゃ打ち付けていた。バールの様な物はどう使ったか思い出せない。なぜかとにかくその辺に散乱していた。また音が大きくて乾いていて、まるであちこちで銃乱射が起こっているような状態だった。煙もモクモクだったし彼らのヒャッハーという歓声。この荒廃した世界に突如として現れたモヒカンとトゲトゲの肩パッドの集団の再来かと思った。

そんなこんなでこんな世紀末めいた事をガンガン家の庭先でやっていたらどこからともなく消防服姿の男がやってきて。「花火は法律で禁止されている」というキメ台詞。ここで負けじと年に一度の花火を楽しんでいた友人は「なんだと!独立記念日は許可されているんだ!」と言い返す。一向に収まらない口論はヒートアップして今にも即興ラップバトルが始まりそうな勢い。なんかあまりの迫力と「それは違反だ」を強調されすぎて漠然と(巻き込まれて強制送還されたらどうしよう)とか考え始めてた。10分くらい言い争った後で諦めたのか消防服の男は悪態をつきながら去っていったので心底ホッとして「消防署の人にあんなに喧嘩腰になっていいの?通報されるんじゃないの?」と一瞬心配になり友達に聞くと、彼の正体は自作の消防服に身を包んだコスプレ消防おじさんであり、自分の事を消防士だと思い込んでいる近所の鼻つまみ者だという事。どこの国の町にも絶対1人はヤベェ奴って配置されているんだな・・・と色々な人の在り方や独立記念日の過ごし方を思った夜。そしてその足元に散乱した火薬が種籾に見えた夜でした。

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【おまけ:アメリカの痛車】

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