台風が関西を直撃した昨日夕方、めったに動かない宝塚公式LINEから来た突然のお知らせ。
現在東京で公演中の星組「１７８９」が体調不良者により継続困難の為まさかの二幕からと夜公演の中止を発表。
そして追い打ちをかけるように劇団公式ホームページから1時間程後に発表された花組トップスター、柚香光さん、トップ娘役星風まどかさんの次期作品での同時退団発表。
そして今日は宙組退団者の発表。
思考が追い付かない衝撃のお知らせの連続、皆様どのようにお過ごしでしょうか。
私は台風で会社が休みになり気が抜けていた所、この星組中止のお知らせLINEを受け取りベッドから飛び起きました。
前回更新の記事から「1789」「鴛鴦歌合戦」「ファントム」など観劇していたのですが、日々の忙しさからすっかりブログを更新できていませんでした。しかしこの衝撃のお知らせの連続、さすがに居ても立っても居られず頭の整理の為にも現在パソコンに向かっています。
公演中止の驚きと心配
宝塚の公演が突然中止になる事は近年ではこのコロナ禍以降、あまり慣れたくはないのですが幾度かありました。
私も手持ちのチケットが幻のチケットへと変わってしまった悲しい経験が何度かあります。
この星組１７８９もムラ観劇の2枚あったチケットのうち1枚が幻となってしまいました。
なんとか観劇できた1回の１７８９は、まだ感想をブログに書けていませんが、本当に素晴らしくパワフルで、組子1人1人が輝いていて最高に迫力のある舞台でした。
その後休演もなく、東京でも幕を開け千秋楽まであと10日程だなとホッとしていた所でした。
宝塚歌劇においての二幕中止や中断の前例
宝塚歌劇において、先ほども記述した通りコロナ禍以降は、数日前、もしくは当日に突然公演が休演、延期になるという出来事は何度かありました。コロナ禍以前は台風や震災で公演休止になる事がありましたが稀でした。
しかし幕は開いたにも関わらず、二幕が中止になったのはいつ以来なのだろうと記憶を辿らせ調べると、恐らく東日本大震災の東京宝塚公演の雪組「ロミオとジュリエット」以来なのではとなりました。
この公演では、ちょうど幕間休憩時間中に震災が発生し、二幕の継続が不可との事で公演中止。周りの交通機関も停止し帰宅難民に陥った観客の為に劇場を1日中開放していたという話を聞きました。
天災以外の人災では、宙組元トップスター和央ようかさんが2005年退団直前に出演したショー「W‐WING‐」において、和央さんが高所からの転落事故で骨盤骨折の大怪我。
公演中に2メートルの高さから落下した和央さんですが、さすがトップスター。そのままの状態でマイクを握り歌い続けようとしていたようです。しかし体が動かず暗転、幕が降りそのまま公演は中止、以降予定されていた公演も全日程中止となったそうです。
その前をさかのぼると1958年の舞台事故でしょうか。一応調べたのですがざっとなので、抜けや間違いがあればすみません。
このように、宝塚歌劇史において一度開いた幕が途中で閉まる事は極めて稀であり、よっぽどの事でないと中断にならなかった事が伺えます。
よく舞台俳優やOGさんの話で、骨折していても舞台に出ていた、高熱が出ても舞台袖では点滴を打ちながら出演していた、などの逸話を聞くことはありましたが、時代が変わりコロナ禍が訪れ、無理に体に鞭打ってでも出演するという話が美談になる事は今後ないでしょう。
しかしながら今回の星組の二幕中止の報を受けた時は本当に驚きと共に心配になりましたし、観客や組子の事を思うと胸が苦しくなりました。
※和央さんの転落事故については以下ブログを参考にさせて頂きました。https://ck-monologue.com/wing-waoyoka-cosmos/
心配される中止理由
この１７８９がなぜ途中で休止になったかというと劇団発表の【出演者の体調不良により公演実施が困難】以外の事は劇団の中の人間でないと分かりません。
しかし、公演継続が困難になるという事は、前回公演が中止になったように、すぐに代役が効かない中心メンバーや、代役が追い付かない程の大人数が体調不良に陥っている可能性が拭いきれません。
あまり下手な憶測はしたくないのですが、当日観劇した方のSNSからは心配になる書き込みがいくつか見受けられました。
当日客席の反応
当日の流れとして、いくつかの書き込みに共通するのは、一幕終了後に休憩を挟み、二幕開演5分前になっても幕が上がらない、オーケストラピットにいるはずの楽団がいない、など少しおかしな所はあったようです。
一幕公演中も、この休演に関係あるかは不明ですが、一部演者の声が掠れていたり、「革命の兄弟」の場面で演者が両目から涙を流していたとの書き込みも幾つか拝見しました。
（この場面は前回の月組にはなかった場面で、主人公ロナンが自由と権利を知り、デムーラン、ロベスピエールという仲間ができ、俺たちは兄弟だ、と本来は喜びいっぱいで歌う明るい場面）
少し違和感を覚えた人もいたようですが、その他は変わりなくいつも通りの素晴らしいパフォーマンスであったようです。
二幕開演前に劇場支配人が現れ（この段階で、この回は阪急交通社貸切公演だった為その挨拶だと思った人と、何らかの機材トラブルかと思った人がおり客席から謎の拍手が起こった）支配人はその拍手を制し、「出演者に体調不良者が発生した為公演は中止です」と告げられたとの事。まさに青天の霹靂です。
ざわざわする客席からは、再度拍手が起こり「さよなら皆様」が流される中、続々と退席という流れのようでした。
中には「えー！」という悲鳴も起こり、なかなか客席から立ち上がれない観客も、外で泣いておられる方も所々いらっしゃったようですが、そりゃそうなる、だれも責められない。もう本当に色々な書き込みを見て自分だって拍手してすぐに退場できたかどうか…複雑な思いを抱えて劇場を後にした方々に思わず自分を重ねてしまい胸が重くなりました。
何か月も前からチケットを取り、スケジュールを調整し、いざ当日劇場へ向かう時って、何日も前から服装を考えたり当日のお化粧が楽しかったり、無事交通も予定通り動いて劇場も開いていて、そういった流れの中での観劇なので、突然こうなった場合どう感情を持っていったらいいのだろうと思います。
今後の流れ 代役公演になるのだろうか
当初は16日以降の公演予定は16日の午前中にお知らせしますとなっていましたが、15日の17時に8月17日までの休演が決定、18日以降については17日中に改めてお知らせしますとの発表がありました。
今後この１７８９がどのようになるのかは、体調不良者の数によって違ってくるのかなと思います。代役公演ができるかできないかによるという事。
それは前回１７８９の大劇場公演が初日だけ開いて翌日から半分休演になった事から、6月に行われた阪急阪神HD株主総会での角CEOの回答から
たとえ主役級の生徒が罹患したとしても、２、３人で収まるようなら、今後はせっかく取ったチケットが無駄になり見られないよりは、代役でご覧いただいた方がいいに決まってる。数人にとどまってできるなら代役公演を積極的にしたい。残念ながら今回は大量で無理でした。申し訳ないことになりました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/10346dc05f11f1868f5242335407bfcce6a7521a
この株主総会の問答がなくとも、今まで過去に宝塚で代役公演になる事は幾度となくありました。
前回の１７８９では振替ができない程の人数が罹患して休演せざるを得なかったのです。
仮にトップスターの礼さんが出演できなかったとしても、本公演で過去トップスターの代役を二番手が務めた例はあるのでトップ代役公演の可能性も充分にあり得ます。
というか次回の星組博多座公演も、異例のトップスター休養の為、主役を星組のアリちゃん（暁千星）と専科のマイティ（水美舞斗）が演じる事で話題になりました。
今回このロナンの代役を誰がするのか。番手でいえば瀬央さんですが、演じているのはアルトワ伯で、代役でロナンを演じるには台詞も役も場面も違いすぎて数日の稽古では難しいのではないのかと思われます。
代役は新人公演から来る事もあるけれど、さすがにトップスターの役を新公学年の生徒が演じるには荷が重すぎます。
一番可能性がありそうなのが月組時代の新人公演でロナンを演じた事のあるアリちゃん。
イケコ（小池修一郎）先生の舞台では必ず代役をつけて一度は通し稽古をする、という話を聞いた事がありますが、コロナ禍以降もそうなのでしょうか。上記の株主総会の件でイケコ以外の舞台でもそうなっているのでしょうか。
ここではトップスターの代役公演について考えてみましたが、他の代役についても様々なパターンが考えられると思います。いずれにせよ数日での代役稽古というのは本当に想像できないくらいの大変さとプレッシャーであると思います。
どうか、無理せずにとも思いますし、再び幕が上がってくれたらいいなとも複雑な思いです。
そして体調不良者が気に病まず早く復帰できる事を願います。
とにかく明日の発表を待ちたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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