宝塚歌劇団が外部調査報告書を受諾し、会見を開いた11月14日から1週間と少しが経ちました。
それからの1週間、今までに見た事がない程の量で、どのニュース番組を見てもワイドショーを見ても宝塚の事が取り上げられ、パネルを使ったピラミッド制度や新人公演の事、研究科の解説までされており、音楽学校や劇団内の実態など番組で顔出し匿名関わらず証言するOGや関係者も出ていました。
この1週間、思う事は色々あっても、どうブログに書けばいいか分かりませんでした。
いい加減な事は書きたくなく、劇団側の会見、遺族側の会見、調査報告書も確認しました。
あの会見を見て、やはり世間から厳しい声が上がる事は充分理解できました。
劇団の会見と報告書
会見は本当に淡々と報告書の朗読会みたいになっていて、人が一人あのような形で亡くなっているのに、まるで(報告書ではこうなってるし、過重労働は認めたので…)といったこれで終わらせたい感と、あわよくばこれで宙組の公演を再開できればという感じも伝わってきました。
記者からの質問に「証拠があるならお見せ頂きたい」「(ヒヤリング拒否の理由は)ご容赦下さい」と対応したのも悪手すぎて、信じられませんでした。
報告書を読んでも、あらゆるメディアに批判されているように、やはりどうしてもパワハラは認められない方向に持っていきたいのかなという印象です。
複数が証言している「やる気がない」などの叱責や下級生側の証言は、ほぼ「伝聞情報であり断定できない」「社会通念法不相当とは言えない」との結論に無理やり持っていっているような印象。
文書で見ると、一見問題が無いように見えても、そこに漂う空気感だとか、圧力も考慮しなければならないと思うし、ヒアリング拒否が4名、当時在籍していた元劇団員には1名にしか聴き取りを行っていないのは少なすぎるように感じ、これで「パワハラは認められず」という結論は時期尚早かなと思いました。
個人的には、聴き取り範囲を広げての再調査が必要だと思いますし、それがご遺族に対する最低限の誠意ある対応だと思っています。
分断される生徒、ファン、劇団内部
事件から、そして遺族の会見、劇団の会見であらゆる層の分断が起こりました。
前回の記事にも書きましたが、まずはファンの中での分断です。
多くの人は心を痛めていると思いますが、やはりこのような状態で舞台を観るのは心苦しい人と、そうでない人。
通常通り全組公演すべきという人と、宙組だけは今は公演再開すべきでないという人。
これはそれぞれの思いなので、色んな意見があっていいと思います。正解も不正解もありません。
最悪なのは、このせいであらゆるものが中止になったなどと遺族を中傷しはじめる人。犯人捜しを始める人。
一方、宙組内部では、報告書でも2月の弁明会で上級生と下級生の溝が広がったという記述があり、会見で「組内であらゆる意見があります」とも発言されたように、上級生と下級生の分断が存在しているようです。
動いたトップスター達
先日の週刊誌では、星、花、雪組のトップスター達が上層部に「一度全ての公演を止め、劇団が1つになって同じ温度で同じ方向を向くべきではないですか」と直談判、また雪組の集まりにおいても「このままではお客様の前に立てません」「ご遺族に誠意を示してほしい」と訴えたと書かれています。
宙組の2番手は事件の数日後、副組長とともに独自に半数の組子にヒアリングを行い、その調査結果を11月上旬に上層部へ提出、しかしそれは上記の劇団の会見では一切採用されず、という記事も載っていました。
これらの記事は、どこまでが真実か分からないので、鵜呑みにして議論すべきではないと思いますが、もし本当にこのように意見を訴えてくれていたのなら、いちファンとしてとても救われた気持ちになりました。
自組の公演の心配もあるだろうし、上に意見を述べるのは容易ではないはずなのに、このようなまともな感覚を持って意見して下さった事は、ファンに対しても組子に対しても誠に誠意ある行動なのではないかと個人的には感じました。
このまま何事もなかったかのように舞台を観てもいいのかというファンが居るように、同じように、何事もなかったかのように公演を行えるのか、組子に負担ではないのかという強い思いが見えました。
どうか劇団は彼女たちの行動を無下にすることなく、ご遺族に対し、ファンに対し、そして宝塚歌劇団の生徒達に対し、真摯に誠実に対応して頂きたいと強く思っています。
今は、このように宝塚歌劇団を取り巻くあらゆる物事の分断が起きている状態です。
いつも元気を貰いに行っていた宝塚大劇場の正門ゲートや、大劇場周辺の映像が、今はセンセーショナルにワイドショーで流れ、それをテレビ越しに目にしている日々がとても辛いです。
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