前回は全体的な観劇の感想と、場面展開などについて触れましたが、今日は各キャストの感想を。
とりあえず、今の雪組でベルばらを上演したのは大正解ですよね。
全キャスト「まさに○○役者!」と言いたくなる程、全員にキャラが合っていました。
熱く語って長くなりそうなので、今回は主要な役の感想を書いていきます。
ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン(彩風咲奈)
いやぁ、咲ちゃん(彩風)めちゃくちゃフェルゼン役者でした。
彼女はベルサイユのばらで宝塚を志したそうなので、これまでのフェルゼンを沢山観てきたのでしょう。
話し方、所作、出で立ち、全てがフェルゼンそのものでした。
咲ちゃんって元々演技にクセがある印象なのですが、このフェルゼンにはその演技がバチッとハマっていて、見事に当たり役でした。
激しさよりも、優しさ、強さ、誠実さが滲み出るフェルゼンでした。
歴代フェルゼンで一番優しそう。
1幕最後に客席を駆け抜け、ポーズを決める彩風フェルゼンが恰好良すぎました。
気品と力強さがありました。
そして期待していた馬車の場面、やはり脚がめちゃくちゃ長い!!これは必見です。
スタイルが良いので、どの軍服も着こなしていて素敵です。
得意のダンスは本編よりも、フィナーレで出し尽くしています。
30分くらい出ずっぱりで踊っていました。
圧巻でした。
黒燕尾が無かったのは残念だけど、かなり退団を意識した内容でした。
お芝居もフィナーレも、まさに彩風咲奈の集大成といっても過言ではないくらいに素晴らしかったです。
退団寂しいなぁ。
マリー・アントワネット(夢白あや)
彼女もまさにアントワネット役者!と絶賛したい。まさに王妃様でした。
夢白さんは、こういった高貴な役や、気の強い役が本当に似合うと思います。
話し方も宝塚のアントワネットそのもので、所々白羽ゆりさんを思い出しました。
今まで白羽さんに似てると言われてもピンと来なかったけど、今回は凄く感じました。
「王妃、その先の罪に」のソロ、そしてエトワールめちゃくちゃ恰好良かったです。
今回歌うま娘役がこぞって退団してしまうので、そちらがエトワールになると思っていましたが、堂々のアントワネットエトワール。
納得のオーラでした。
ただ、歌唱は全体的に少し小さめに聴こえた気がします。
次回観た時はどうなっているだろう。
ただ、彼女のアントワネットは凄く好きです。
ドレスも全て可愛い!!全部新調だと思います。
特に私は、国王の深い愛を知る場面で着ていた水色のドレスがとても好きです。
一瞬しか出てこない衣装なのに、上品で繊細で可愛くて、これもぜひ必見。
囚人服も、囚人服なのに素敵でした。
オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ(朝美絢)
我らがオスカル様。まさに朝美さんもオスカル役者そのもの。
キャスト発表時から絶対に美しいだろうという確信がありました。
そして、SNSで朝美オスカルの画像が脅威の8.5万いいねを記録。
誰が見ても文句ない満場一致の美しきオスカル様。
生で観たら涙が出そうになるほど美しかったです。拝みそうになった。
そして光のオーラが凄い。めちゃくちゃ発光してました。
美しいだけでなく、仕草も話し方も圧倒的理想のオスカル様でした。
私が観た日のオスカルは、声が低めでしたが、前日は高かったようです。
まだ初日も始まったばかりだったので、調整しているのかなと思います。
フェルゼンからの手紙を見て「フェルゼンからの手紙だ」という台詞は、好きな人から手紙が届いた喜びというよりも、私が観た回は、友人から届いた手紙のような言い方で、とても良かったです。
あまりルンルンした言い方だと、次のアンドレとの場面が余計に違和感あると思うので。
その後に続く今宵一夜の場面は、今宵一夜史上最も美しかったのでは。
縣アンドレとの並び、相性が良すぎる!!
アンドレが撃たれ、ベルナールに止められている時に小さく出た「離して」の声が、一瞬素の女性を感じて、より悲しくなりました。
そして、アンドレ亡き後の「ますは手始めにバスティーユを攻撃しよう」の所が、一瞬薄っすら微笑んでいるように見えました。
アンドレを失ってしまった怒りと悲しさ。そして果たすべき使命。
この一瞬の微笑みに、全てが詰まっていたような気がします。
あのバスティーユの場面の殺気迫る感じ、日を追うごとに強まっていきそうです。
若干のダークな笑みは「ひかりふる路」のサン=ジュストを少し思い出しました。
ここで微笑むようなアプローチをしたオスカルはいなかったと思うので、次回観劇時に再度よく見てみようと思います。
あとパレードの客席降りで、奇跡的に目の前にオスカル様が降臨され、手拍子を教えてくれました。
目の前すぎて、非現実的すぎて(本物だ…!!)と謎の感想を抱きました。
そして銀橋に戻る時、後ろから来た生徒(誰だったか忘れました)に、一瞬だけオスカルではなく、クシャッとした笑顔で笑いかけていて、素の朝美さんの表情を目撃しました。
美しい、可愛い、人懐こい…朝美絢…万…歳…
アンドレ・グランディエ(縣千)
縣もめちゃくちゃアンドレ役者、役にピッタリ合っていました。
大きな器と深い愛で包んでくれそうなアンドレでした。
現代だと「スパダリ」と表現されそうな縣アンドレ。
しかし、今回場面はありませんでしたが原作のように、思い詰めてワインに毒を盛ろうとしたり、物陰で涙していそうな陰な部分も感じ取れる縣アンドレでした。(褒めてる)
容姿も、内面もまさに理想のアンドレで、朝美オスカルとの並びが素敵すぎました。
残念ながら出番は少な目でした。
確かアランに目を心配される場面はカットになっていました。
それでも、ソロがあり、そして存在感あり。
アンドレが死んでしまうシーン辺りから客席のすすり泣きが多かったです。
そして、アンドレの撃たれ演技が物凄く上手かった!!
この部分は、どうしても私は過去ずっとちょっと笑いそうになっていました。
若干現実に還るというか。
銃で蜂の巣なのに、立ち上がっては歌い続けるアンドレが非現実的すぎて、ちょっとシュールで面白かったのです。
でも今回の縣アンドレは、そんな事を考えさせる隙もないくらいに、歌いはするけど撃たれ方が上手すぎて、凄く悲しくなり、シュールな感情にはなりませんでした。
ちゃんと悲しかった。
そして見逃したけど、今回のアンドレは手から血を流しているそうです。謎のリアリティ。
今まで流血する仕掛けは無かったと思うので、次回よく観ようと思います。
ただ蜂の巣にされたら、手から血どころでは済まないだろうな…。
そして縣、歌も演技もめちゃくちゃ上達していました!
ソロの場面は、正直歌い始めはヒヤヒヤ見守っていたのですが、ちゃんとアンドレとして歌えていて、上手かったです。
オスカルとの「愛あればこそ」も、上手くハモれていました。
次回から恐らく2番手だろうから、頼もしい成長でした。
以上が主要キャストの感想です。
全員に○○役者と書いてしまうくらいには完璧に役に合いすぎていました。
本当に本当に素晴らしいベルサイユのばらでした。
長くなったので、その他キャストは次に書きたいと思います。
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