ついに観てきましたムーランルージュ。
昨年は帝国劇場のみの上演で、きっと大阪にも来てくれるだろうと待っていました。待っていて良かった。
やっぱりセットが凄かった!
Xのタイムラインで開演前の写真が日々沢山上がっていて、あまりの華美さにワクワクしていました。
扉を入った瞬間、いつもの見慣れた梅田芸術劇場の舞台とは全く違う世界でした。
そして梅芸のシャンデリアが世界観にマッチ。めちゃくちゃ素敵。
撮影タイムは、演者が出てくる開演10分前くらいまでと、幕間時間です。
風車の下の布もきちんと凄く細かい作り。上のシャンデリアもセット。
これだけを見ても、通常よりお高いチケット価格なのは頷けます。
それプラス、演者1人1人にオーダーメイドで採寸して作った衣装や、著作権だけでもエラい事になりそうなぐらいの名曲の数々。
今まで観てきた舞台の中で、1番セットも衣装も曲も全てが豪華でした。
ただ、これだけセット、衣装、曲、歌唱力、ダンス、最高レベルのキャストが揃った舞台だったのですが、正直私にはハマらなかった舞台でした。
観劇前、ハマりすぎてチケット追加したくなったらどうしよう、お財布がヤバい、とドキドキワクワクしていた訳ですが、うーん、1回で良いかなってなりました。
以下、ハマらなかった者の感想なので、この舞台を観てめちゃくちゃ良かった!!って感じた方は読まない方が良いかも。
個人的に望海さんファンの自分の感想としては、宝塚時代、好きな女性に着せたい衣装を勝手に用意する事に定評のあった望海さん(ジェラール山下、エリック)が、今度は勝手に用意された理想のドレスを着せられて嫌そうな顔をしていたのが面白かったです。
世界観に入るキッカケを見失った結果
ムーランルージュといえば、始まりの「CANCAN」をめちゃくちゃ楽しみにしていたのですが、始まってみるとあっという間に終わってしまいました(体感)
恐らくオープニングのCANCANで心が掴まれ一気に世界観に引き込まれるんだろうけど、ここでそのタイミングを逃してしまったので、実質本当に正直に書くと、1幕は虚無になる時間の方が長かったです。
なんだろう、観劇前の期待値を高くしすぎたのが原因かもしれません。
あと、映画版のイメージが強すぎて、あれ、なんか違うなって物足りなさを感じたのかもしれません。
めちゃくちゃミュージカル向けの作品なのに、映画版の方がミュージカルを観ているようでした。
歌詞も日本語だし、外部舞台のメイクは薄めなので、所々現実を感じてしまって、パリっていうか日本だな、って思ってしまったのも原因の一つだと思います。
2階席の前列で観た方が、もっと世界観に入り込めたかなって後で思いました(超個人的感想)
あと映画を見ていないとストーリーが分かりにくいかもしれないなとも思いました。(これは日本版スタッフのせいではないけど)
という事で、1幕は正直今思い出してもあまり印象に残った場面はなかったなぁという感想です。
望海サティーンも、1幕はいつもの望海さんというか、サティーンというより望海さんだなって印象の方が強かったです。
歌やショーの場面、衣装の着こなしは流石だったのですが。
良さが詰まった2幕
2幕の始まり、恋に落ちたニニとサンティアゴのダンス、めちゃくちゃ迫力があり格好良かったです。
その時の曲が
Bad Romance(Lady Gaga),Toxic(Britney Spears),Seven Nation Army(The White Stripes),Sweet Dreams(Eurythmics)のマッシュアップで最高すぎました。
全部大好きな曲です。
これだけで、この舞台を観に来た価値があると思いましたが、更にそのあとのRoxanne(The Pollice)の場面がそれを更新しました。
演者のダンス、ライティング、歌唱、全ての迫力が押し寄せてきて、この場面は一番見ごたえがありました。
そして、映画には無かった展開が続き、それぞれの人間模様、感情が交錯していて2幕は楽しめました。
映画版では物悲しく終わったラストは、最後にキャスト総出で豪華なパレードが始まり、サティーンの言っていたお葬式がこれだったら素敵だなと思いました。
キャスト感想
サティーン(望海風斗)
全ての曲を完璧に歌いこなし、ショー場面でのオーラ、踊りながらもブレない歌声、衣装の着こなし流石すぎました。
正直1幕では望海さんだなと思ったサティーンですが、2幕では表情の変化が凄かったです。
デュークの前で、クリスチャンに愛してないと嘘をついて突き放したサティーンが、今にも泣きだしそうな表情をしているのに、デュークが後ろから近付いてきた気配を感じ、無理矢理ゆっくりと笑顔にしている時の表情が胸に刺さりました。
デュークが勝手に用意した理想のドレスや、もう舞台には立てないと知った時の絶望した表情も良かったです。
先ほども書きましたが、宝塚男役時代はデューク側のような人物を演じる事が多かったので、逆にそれをやられている側なのがちょっと面白かったです。
クリスチャン(甲斐翔真)
映画版にかなり近い人物像だったと思います。勿論歌声も最高。
爽やかな好青年で甘いマスク、優しさと愛に溢れるクリスチャンでした。
童顔にアンバランスなマッチョさが、後半の狂気に合っていました。
デューク(伊礼彼方)
迫力と存在感が凄かったです。勿論歌声も。
悪役演技がハマっていて、終始見ていて楽しかったです。
大人と財力の余裕、悪どそうだけれども溢れる上流階級の上品さ。
サティーンに用意したドレスを見せた時のドヤ顔、サティーンがクリスチャンよりデュークを選んだ時のニコッとした顔。
デュークはデュークなりにサティーンを愛していたのだと思いました。
ジドラー(松村雄基)
こちらも映画版に近い人物像で、それよりもう少し家族愛成分をプラスした人物でした。
確かにサティーンをムーランルージュ存続の為に道具のように扱う一面もありつつ、そこまで酷い人物の印象は受けませんでした。品と人間味がある。
後半になると、もうお父さんみたいな感じでした。
ストーリーの要になる人物なので、確かな実力とアドリブ力も必要だと思うのですが、ベストな配役でした。
ベイビードール(シュート・チェン)
途中、坊主頭で登場しますが、事前に知らなければ女性と思っていたかも。
それほど違和感のない高い声で、歌声も女性のような高い声が出ていたので技術の高さに脱帽。
ニニ(藤森蓮華)
ダンスも低音ハスキーボイスもめちゃくちゃ格好良かったです。
凄くインパクトのあるキャストでした。
まとめ
ちょっと辛口の感想になってしまいましたが、終始つまらないという訳ではなかったです。
セットや衣装、演者の技術など見どころは沢山ありました。
総合すると、自分は1回で充分だなとなっただけで、ハマる人はハマるだろうし、実際何度もリピートしている方も多いようです。
あと、劇中に客席から「ヒュー」と欧米のような反応が起こるのも特徴的な舞台でした。
あれは宝塚の会のように、盛り上げ担当の人が毎回いるんだろうか?と不思議になるくらい統制の取れた客席でした。
正直言うと、あの雰囲気も若干引いてしまったのも楽しめなった原因かもしれません(陰キャ)
この舞台だけではないですが、最後にスタンディングオベーションをしなきゃならない雰囲気も苦手です(陰キャ)
でもあの豪華絢爛なセット、歌の迫力は劇場でないと体感できないので、なんだかんだ観劇できて良かったです。
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