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瀬央ゆりあ専科異動の衝撃と現在の専科制度について

退団者についての感想は既にこちらに書きました。

今回はせおっち(瀬央ゆりあ)の異動について触れていきます。

目次

衝撃の専科異動発表

このたび、下記の通り、組替え(異動)を決定しましたのでお知らせいたします。     

星組

瀬央 ゆりあ・・・2023年8月28日付で専科へ異動
※異動後に最初に出演する公演は未定です。   

https://kageki.hankyu.co.jp/news/20230419_003.html

いやまさか、何度見ても衝撃です。このタイミングでの専科異動は予想外でした。

なんとなく、今回で退団か、あともう1作くらいかなと勝手に思っていたので、ここにきて専科か、なるほどといった感じです。

せおっちの退団を勝手に覚悟していた理由

まず、サヨナラショーがあるかもみたいに騒がれた今回のスケジュールですよね。

その前のカチャ(凪七瑠海)が主演を務めた全国ツアー「バレンシアの熱い花」での二番手役ポスター入りそして大羽根を背負ったというフラグ。

そのうえ普段はあまりない、せおっちの故郷、広島への凱旋。もう餞別の匂いしかしなかった。

元々のせおっちは2021年の年末に愛ちゃん(愛月ひかる)が退団をして、まだ急にアリちゃん(暁千星)2番手も早いしみたいな感じで、その枠にうまく収まったような印象でした。

もちろんそれまでのバウホールの主演など着々と重ねていった実績も大きいとは思うのですが。

正2番手ではなく、大劇場で背負う羽根も大きくはなく、若干渋いというかそんな扱いだったような気がします。

でも下級生時代を思えば、そしてスター揃いの95期の中で、よくここまで来たなぁと感慨深い思いでした。

そしてその上での前述での全ツでの待遇と、1789のサヨナラショー枠の憶測は、やはり今回での退団を覚悟していた人も多かったのではないでしょうか。

そうした中での専科異動の発表は「退団でなくて良かった」という声が多く聞こえる要因だったようにも思います。

以下の項目からは専科異動について肯定派の人は読まない方が良いかもしれません。

誤解がないように先に言っておきますが、私はせおっちの事は好きです。

専科異動は喜ばしい事なのか

もちろんご贔屓だったり、もっと長く瀬央さんを観ていたいと願う方にとって、覚悟を決めかけていた時のこの発表は安堵だったと思うしその気持ちを否定するつもりは全くありません。

しかし、この専科異動は果たして手放しで喜べる状況なのかというと、個人的には若干複雑な思いです。

専科というと、想像するパターンが二つあって、果ては昭和の時代から在団し、どっしりとした安定感と貫禄のある本専科さんと、若手専科です。(この名称は公式ではありません)

せおっちは、この若手専科になると思いますが、これによって生じる問題が、

  • いつどのタイミングで出演するのか、またいつ退団するのか読めない
  • 組ファンに疎まれる可能性がある

といった問題です。せっかく残ってくれたのに悲しすぎやしませんか。

メリットとしては

  • 長くタカラジェンヌとしての活躍を観れる
  • 組を越えての共演を期待できる
  • また異動のチャンスがある可能性
  • 良い役で観れる可能性

若手専科6名中3名が95期生に

そして何よりせおっちの専科入りで、95期の専科がこれで3名になります。

まゆぽん(輝月ゆうま)マイティ(水美舞斗)せおっち(瀬央ゆりあ)

現在若手専科と思われる凪七さん以下6名中3名が95期生です。なんと半分を占める事になります。

95期は大豊作期で、男役娘役含めて既にトップを6名も排出しています。

スターも多く、これだけトップが出ても雪組の朝美絢さんや、宙組の桜木みなとさんのトップもまだ完全に無いとは言えない状況です。まさかこの2人も専科へ?と言った声も聞きますね。(個人的には無いと思います)

専科も95期で埋まってしまうのも、やむ無しといった感じでしょうか。

超個人的な感想で、まゆぽんは専科異動が発表された時に久しぶりに納得のいく人事でした。

月組から離れる寂しさはありつつも、専科行きをむしろ嬉しく思う程でした。

特技を生かし、若い役から渋い役までオールマイティにできる印象で、専科に行っても組を越えて沢山の役を観たい、共演を観たいと思わせる生徒さんだったからです。

長身で、歌もうまく、踊れてユーモアもあり何より芝居が上手い。オールラウンダー。

実際専科異動後も様々な組で活躍されています。

せおっちは異動後どんな活躍をされるのでしょうか。

せおっちのお芝居も深みが増してきましたし、歌も上達してきたような印象はあります。ダンスはやはりまだ苦手そうでしょうか。

同期専科のまゆぽんはオールラウンダー、マイティはダンスがかなりの強味(但しダンスはショー出演にならない限り発揮できない)なので、せおっちはこれから専科での強みを模索し強化つつ、音校時代に正塚先生からかけられた「腐るなよ、腐ったら終わりだからな」の言葉がキーワードになるのかなと思います。

これだけ専科を集めてどうするのか

ここ最近、不足していた「若手専科」の補充がまた活発化してきているなという印象です。

若手の専科は、100周年前後の近年では華形ひかるさん、北翔海莉さん、沙央くらまさん、星条海斗さん、愛月ひかるさんが在団していました。

北翔さんは後に星組トップスター、愛月さんは星組に異動後2番手として退団されました。

2018年の沙央さん星条さんの相次ぐ退団や、上記の組異動で若手専科が希薄な時期がありました。

また、まさかの轟悠さんと松本悠里さんの退団も相次ぎ、専科自体も少なからず変革の必要性を感じます。

若手専科への急速な補充は、これらの変革と、来年の110周年の節目、そして大運動会2025年の大阪万博に備えてあるのだろうと勝手に想像しています。

特に大運動会に関しては、100周年大運動会の時。

当時はスター専科が北翔海莉さんと華形ひかるさんの2名しかいなかったような気がするんですが(記憶違いならすみません)、各組紹介時の観客の声援の差が凄い事になっていて、観ているこっちがヒヤヒヤしたというか抱いた気まずい感情を未だに思い出します。

本専科さんの時の声援は「パチパチ….」って感じで世界の彼氏(華形さん)の声援は黄色い声援が飛ぶ、それでも各組比では少な目みたいな。

あのような悲劇を繰り返さないように、若手専科で層を厚くして、出る競技も増やせるというメリットが生まれそうな気がします。そして今回の運動会での専科めっちゃ強そうな予感しかしない。

思い出される新専科制度

これだけ若手スターの専科が揃うと、頭に浮かぶのが「新専科制度」の再来。

この当時、私はまだ中学生ぐらいで宝塚を知ったばかりの何も知らないファンだったので、この新専科制度については何も知りませんでした。スター専科とも呼ばれますよね。

後に知り合う宝塚ファンの先輩方やOGの方に「あれは最悪だった」と何度も聞かされた悪夢のようなシステム。

簡単に言うと各組の2番手3番手の路線を10名ほど「新専科」に移して、各公演にランダムで配属、その先々で美味しい役をかっさらうみたいな感じです。

私は当時、彩輝直さんのファンだったので暢気に「ベルばらのオスカル観れてめっちゃ嬉しい」ぐらいの感想でしたが、この配役、今思えば当時荒れに荒れてたんでしょうね・・・。恐ろしい。

新専科になれば、いつの公演に出るのかも分からないし、叩かれるし、組ファンからすれば観たかった配役とは違う生徒が飛ばされてきて機会が潰された、と誰得のシステムだったのです。

先ほど挙げた「専科異動によって生じる問題」に書いた事とほぼ同じ現象ですよね。

当時と違うのは新専科に振り分けられた人の半数がトップスターに就任できたという事。

近年の専科制度でトップスターになれたのは北翔さんだけですね。(星風まどかさんは一時避難的な所属感だったので除く)

専科は本来スペシャリストが属する集団のはずなのに、専科異動になると「専科は逃げ場ではない!」みたいな感想に近年なりがちなのって、この置き場に困った時の「とりあえず専科へ」という人事がそうしてしまっているのではないかなと思います。

2番手、2番目ではなかった人が特出する分には役に影響が生じるような心配はあまりないですが、そういった実績がある方の配役とか扱いってちょっと色々あるような気がします。

これらについては劇団の柔軟な対応を願いたいです。

ぜひ専科だけの公演を

専科だけで公演する機会ってないのでしょうか?実現は難しいのでしょうか。

ぜひともバウホールとか梅田芸術劇場などの劇場で定期的に観たいのですが。

しかも今はこれだけ役者が揃っているのです。

これなら、各組ファン不毛な争いを起こす事もなく、出演予定も分かり、本専科の方から若手は直接学べるし、めちゃくちゃクオリティの高い公演を観る事ができて、どちら側にもメリットしかない気がするのですが。

宝塚110周年に向けて変わりつつある専科の専科公演をぜひとも実現してほしいです。

もちろん本公演には出ずに専科公演だけで活躍してねという意味ではありません。

カチャが全国ツアーで主演を努めたり、少しずつ専科の動きも変化を感じます。

本公演に出つつ、もっと専科活躍の場を広げてほしいなとの思いです。

まとめ

  • せおっちは専科でも腐らずに活躍してほしい
  • 専科は若手の補充が活発になってきた
  • 若手専科は95期が5名中3名
  • 若手専科は人事の逃げ場ではない
  • 専科公演の実現を

夜中に書いたのでダラダラ長くなってしまっていました。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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