RRRに続き、ショーのVIOLETOPIA(作・演出 指田珠子)の感想です。
RRRの感想はこちら↓
賛否両論のショー
明るく熱量たっぷりのお芝居「RRR」、それとは打って変わって、ヴィオレトピアのショーは、全体的にはダークホラーな感じ。
明るい場面があると思えば暗くなり、また明るくなったと思えばどこか不気味で、風邪の時に見る夢みたいな雰囲気でした。
観劇した人の感想を見ると賛否両論ですね。
私はこの不気味だけど、型にハマらない発想が新しすぎる世界観のショー、好きでした。
ただ、賛否両論になるのも分かるなというのが正直な感想。
観劇した人の意見を見ると「意味が分からない場面がずっと続く」という物が多かったです。
確かに、私も「かつて劇場だった場所が朽ち果て、蘇る」くらいの前知識しかなかったので、後でパンフレットを読まないと分からない部分も多かったですが、また観たいと思えるショーでした。
衣装、セット、音楽のチョイス、主題歌の覚えやすさが自分の好みと合っていたからだと思います。
衣装
ショーの衣装は有村淳先生。
一番好きな衣装の先生で、やはり有村先生の色使いやラインの柔らかさ、繊細さ、大好きだなと再確認。このショー全ての衣装が好きでした。
使用楽曲
この公演で使用された楽曲で、その場で気付いたのが3曲。
ジェーンバーキン「ぬかるみ」→追憶の劇場、雨の場面
平沢進「パレード」→サーカスの場面
Deep Purple「Highway Star」→宮廷と役者と青春の場面
これだけでも豪華だし、きちんと場面と曲がリンクしているんですよね。
特にHighway Starは、貴族相手に作っていた音楽から新しい音楽を作る場面(望海風斗さんのfffをちょっと思い出す)、このロックの曲調の中に、バッハのコードが仕組まれているのでぴったりでした。
明るいショーから不気味なショーへ
まずショーの始まり、劇場が蘇る場面は明るい感じで、星組生が続々登場する華やかな流れは(お、これは野口先生の系統か?有難い)と思い、花嫁の場面くらいまでは可愛らしい雰囲気もありました。
しかしサーカスの場面から、宮廷と役者の場面までは、とにかく不気味な流れの連続でした。
たぶん子供時代に観たらトラウマになっていたと思います。
サーカスの場面
ここで使われる平沢進「パレード」の楽曲が、怪しいサーカス集団に合いすぎていたし、実際「パレード」のPVも不気味で怖いんですよね。
ここで蛇に扮したトップスター礼さんが、トップ娘役なこちゃん扮する村娘に心を開いたような感じになるのですが、最後はサーカス団に着いていかざるを得ない運命。
あの諦めたような頭を垂れた歩き姿が悲しすぎました。
悲しいし不気味。
それを影絵で表現するのが天才すぎる。
サーカス集団が実際より小さく見える影絵が不気味で、足元に少し隙間が開いて演者の足が見えるので、収録映像じゃなくて、その場を歩いてるんだというのが分かって拘りを感じました。
サーカス団長演じる極美がサディスティックで怪しい美しさでした。
さっきまでジェイクやってた人とは思えない。
客席降りもある、宮廷貴族と役者の場面
宮廷貴族とベレー帽を被った若者たちのポップな衣装。
貴族も髪型は貴族だけどちょっと衣装がポップ。
明るい場面の再来。客席降りもあって豪華!
私は1階最後列に座っていたのですが、なんと最後列まで客席降りしてくれて、小桜ほのかちゃんと、ぴーちゃん(天華えま)にハイタッチしてもらいました。一生の宝。
ぴーちゃんの手は、あんなに踊っているのにめちゃくちゃ冷たくて、とても印象的でした。
この客席降りが終わった後だったか、またダークな場面になった気がします。
舞台左右のウサギの絵の目玉が赤く点灯してビームみたいなのが出ていたのが、すごく怖かったです。
このウサギはこの場面以降出てこなかったので、そういえばセットもすごく豪華なショーでした。
サングラス集団
郡舞なのに不思議な場面ですよね。
緑のスーツに、男役全てサングラスをかけています。
サングラスを外し、群舞が終わると、後ろから娘役が総出なんですが、やっぱりサングラスをかけている!
80年代のアメリカ映画で描かれた未来って感じの不思議なビジュアルでしたね。
20xx年みたいなテロップが出そうな勢いでした。
男役も娘役も踊り終わり、一斉に後ろを向いた時に(振り返ったら、絶対全員またサングラスかけてるだろ)と思ったら、振り返った全員がやっぱりサングラスをかけていて面白かったです。
まとめ
印象に残った所をつらつら書いていきましたが、展開が予想できず、不気味だけど客席降りもあり、賑やかで忘れられないショーでした。
またもう一度観たいです。
あと最後に、宝塚の象徴「すみれ」Violetと、ユートピアを掛け合わせたであろうショータイトルもシンプルで好きだなと思いました。
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