名古屋御園座で公演されていた「パリのアメリカ人」
昨日無事千秋楽を迎えられました。おめでとうございます。
40℃になる事もあった名古屋の夏。
そんな中で、暑さを吹き飛ばす程のダンスやお芝居を届けてくれた雪組パリアメチーム。
物凄く良いチームワーク、全員愛おしいなと客席で感じていました。
本当に素晴らしい作品で楽しくて、心の栄養を補給する事ができました。
本当は千秋楽前に各キャストの感想を書きたかったのですが間に合わず。
振り返りがてらお付き合いいただければ幸いです。

今回はメインキャストの感想です。
ジェリー・マリガン(朝美絢)
いやぁ朝美さんは名古屋でも美しかった。
明るくて誰とでも打ち解ける事ができ、好きな女の子には「俺の事好きなんだろ?」とグイグイいっちゃうアメリカ人。
けれど根深には戦争の傷跡を抱えていて、ただの陽キャでは無いんですよね。
恐らく戦争体験を経て少し人格が変わっているのかもしれないなと思いました。
戦争で仲間や色々な物を失ったからこそ、今を生きる、好きに忠実。絵も意中の女性も。
なんだかタイタニックのレオナルドディカプリオ演じるジャックを思い出しました。
朝美さんの魅力って、明るいヒーロータイプな役も悪役もどちらを当てられても違和感が無いんですよね。
だいたいどちらかのタイプに分かれませんか?
今回は割とヒーロータイプな陽キャだったけれど、ただの陽キャではなくて、そのコミュ力って戦争で培われた所もあるんだろうなって背景が見えました。
戦友との場面、リズに対する態度とマイロさんの本音が見え始めた所からのタジタジ具合など。
オールラウンダーな朝美さんがトップとして今後どんな役を演じていくのか楽しみです。
またサン=ジュストみたいな役が観たいけどトップでは難しいかな。
シンプルにあれだけ踊れて歌も本当に上手くなっているし、三拍子揃ったトップだよなぁと個人的に思います。
あと地肌にネクタイの衣装って字面だけだとヤバい感じなんですけど、爽やかで、でも斬新すぎるよな、まぁそれもお洒落に着こなしてて凄いなぁと思いました(小学生みたいな感想)
リズ・ダッサン(音彩唯)
めちゃくちゃ可愛い!!最高!!!
ヒロインオブヒロインでしたね。
はばまい(音彩)の演技は元から好きだったんですけど、今回のリズでもっと好きになりました。
鈴が転がるような声って形容される声は実際こんな声なのかなってくらい台詞も歌声も美しい。
そして聞き取りやすい。心地良い。
小顔が揃うタカラジェンヌの中でも特に小顔、手足も首も長く色も白い。
一目でヒロインって分かりますよね。
はばまいも、朝美さんと同様役柄が幅広いですよね。
前回のロビンザヒーローでも割と男勝りな子だったり、ベルばらのジャンヌは惚れ惚れするような悪役っぷり。
それが今回の可憐なヒロイン。そしてジェリーと同様、蝶よ花よのヒロインではなく義務を背負う影も有り。
もちろん、歌、ダンス、お芝居、三拍子揃っています。
伸びやかなバレエが素晴らしかった。
香水店に押しかけられて初めは戸惑いの表情だったのに最後の方は笑顔で楽しんでいたり、パーティ後のアンリと座っている時に見せる表情が細かくて、ずっと観ているのが楽しかったです。
海辺のストルーエンセでも相性が良かった朝美&音彩コンビ。
次回大劇場で夢白さんが退団された後は、もう何か無い限りははばまいで確定だと思うし、そう思うと凄く今からが楽しみです。
アンリ・ボウレル(瀬央ゆりあ)
アンリめちゃくちゃ良い役でしたね。
コメディパートのほとんどを請け負っていたような感じですが、アンリには秘密があって、その辺りの醸し出し方が絶妙でした。
違和感はあるけど自分でも確信的な事には気付いて無さそう、でもリズは好きだし(それが愛情なのか何なのかは分からないけど)義務は果たさないと、と心の奥の方で縛られてる、みたいな感じが伝わってきました。
そして演技すごい上達している!!
コメディもやって、シリアスな苦悩もあって、ショーパートもあって。
凄く難しい役だと思うんです。どれも大げさすぎるとただのアホ坊みたいに見えるし。
瀬央はどちらかというと結構悪役のイメージが強かったので、今回のアンリは新鮮だったし、めちゃくちゃ役に合ってたなぁ、またこんな役で観たいなと思いました。
アンリを越えて瀬央の魅力が溢れていて凄く好きになりました。
元から雪組にいたような感じなのは何だろう、全然違和感がない。
アンリの絶妙な間に沢山笑わせてもらいました。
アダム・ホックバーグ(縣千)
縣も結構人懐こい役が多い気がするので、これだけ気難しそうなキャラクターってあまり見ないなと思いました。
ただの気難しくて嫌な人ではなくて、カフェで拒否されそうなジェリーを助けたり、自分に正直に生きようとしていないアンリを見抜いて諭したり人情に厚い男。
割とストーリーテラーな役割を担っていましたね。
縣比では、聞き取りやすくなっていたような気もしますが、やはりストーリーテラーとなるともう少し聞き取りやすい発声を頑張って~と思いました。
今回台詞が聞き取りやすいキャストが多かったので余計にそう思ったのかも。
ただ、アンリと一緒に踊るシーンは泣けますね。
アンリの妄想の中だけど不自由な脚が上がっていて、イキイキ踊るアダムを観てウルっとくるのは、それだけアダムを魅力的に感情移入しやすいように演じている縣の演技力なんだろうなと思いました。
まとめ
メインキャストはお芝居が上手くて、どこかそれぞれの役者のイメージとリンクしている所も感じて雪組の魅力が詰まっていました。
メインキャストみんなが御園座初なのは意外でした。
何度も来ていそうなのは何故なのだろう。
全体の団結力の良さも感じて、普段の半分の人数なのにそれを感じさせない熱量と迫力。
まだ時期トップ娘役が発表されていないけれどもし音彩さんが次期ならば、トップ以下この公演での布陣が基本になると思うので、そのバランスの良さ、魅力をこの公演で見れて良かったし、その態勢もとても楽しみになりました。
次回はサブキャストの感想を書ければと思います。
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