先日、さっそく雪組「ベルサイユのばら」を観劇しました。
まだ初日開けてすぐにも関わらず、やはり全体的な熱量と華やかさが半端ない。
めちゃくちゃ楽しかった!!!
特に最後のパレードで客席降りがあるのが斬新で楽しかったです。
新場面もあるにはあるのですが、全体的にはいつものベルばらではありました。
ポスターに期待されていたような「令和の新解釈」みたいな物はなかったです。
ただ、パレードの演出や、衣装の変更、違和感ある台詞や演出のカットなど、楽しめる工夫を随所に感じました。
心配された三井住友VISAの冠も、パンフレットには記載されておりました。
そのおかげか、貴族の衣装まで全て新調。華やかで現代的なデザインになっていました。
電飾もありったけ使われていて、まさに豪華絢爛。
私はベルばらで宝塚のファンになったタイプの人間なので、ベルばら歌舞伎といわれる所以の独特の台詞まわしや詩的な台詞、ツッコミどころ満載な場面なんかも結構好きです。
ただ2000年代後半以降の脚本や演出の暴走にはちょっと辟易していました。
こういうタイプの人には今回のベルばらは楽しめると思います。
けれど、ベルばらって古臭い、独特、飽きた、原作と違う、という人にとっては今回もそう感じてしまうかもしれません。
ストーリー展開と過去の違い
今回のベルばらは、全体的な流れや台詞が90年花組の「フェルゼン編」とほぼ同じでした。
ジェローデルがフェルゼンにオスカルの戦死を告げる場面が1幕、バスティーユが2幕にくるのが大きな違いくらい。
キャラの登場割合や、出てくる歌もほぼ同じ。
フェルゼンからの手紙で、すぐアンドレに鞍替えしたみたいな感じになってしまうのも同じです。
この部分は、オスアン編と違い、毒殺未遂が描かれていないので、どうしてもそういう風に写っちゃいますね。
最近のベルばらは、オスカルがずっと「今宵一夜、アンドレグランディエの妻になりたいのです」と言っていたけれど、今回は「愛しているならなぜ抱かぬ、お前の愛を見せてくれ」となかなかに挑発的。
でもこれも90年花の時と同じで、新しく作られた台詞という訳ではないのです。
アンドレの「見果てぬ夢よ。俺は今日まで生きていて良かった。(中略)セピア色の化石となれ」
も今回はカットされていましたが、これも「見果てぬ夢よ」以外は前回もカットでした。
「見果てぬ夢よ」は今回も言ってたかな?記憶が曖昧。次回チェックします。
なぜか定着化していたビンタするジェローデルも、今回はもちろん、90年花の時もビンタしていませんでした。良かった。
なぜか2000年代以降に定着していた、現代の感覚では(?)となる台詞や演出を改めて見直したのかなと思います。
あとは細かい違いでいえば、「女伯爵の称号と私に与えられた伯爵領の全てを捨てよう」は言うけど、勲章を外して投げ捨てる演出が無くなっていました。
市民側に立ったオスカルが「ベルナール、お聞きの通りだ」と言う所が、「ベルナール、決心したぞ」に変わっていました。こっちの方がオスカルっぽくて好きです。
プロローグ小公子達の「ご覧なさい」の歌詞もなぜか微妙に変化していたんですよね。
「再び薔薇が咲きました」の所が「むつとせ花が咲きました」だったような気がするし、他の部分も脳内にある往年の歌詞と違って(??)となり違和感がありました。
この歌詞改変の意味は一体。
新曲と新場面
完全なる新場面は、2幕冒頭の市民の怒りをダンスで表現している所と、バスティーユ跡地に白薔薇を手向けるフェルゼンの場面。
このフェルゼンの場面で新曲「セラビ・アデュー」が披露され、歌詞は戦死したオスカルに向けたものですが、今回で退団する彩風さんも連想するような歌詞でした。
実際、フィナーレで組子達が彩風さんに向けて歌う演出がありました。
新場面ではなく、よく「ボートの場面」と表現されるフェルゼンとアントワネットの逢瀬は、衣装がポスターのピンク衣装になっていて、あまり現実感がありませんでした。天国みたいだった。
巨大な薔薇のセットから現れる二人ですが、この巨大セットの薔薇は2014年オスカル編の最後に、戦死したオスカルがこの薔薇から出てきて天国へ召されるという演出のセットを思い出しました。
この場面は、別に今まで通り貴族の衣装で良かったよな…と思いました。
フェルゼンとアントワネットが一番輝いていた瞬間を、天国で振り返っているのかなと解釈しようと思います。
2幕冒頭の市民の怒りも、台詞がなく、ダンスでの表現、衣装もちょっとテイストが違うデザインだったので、初見では一体何の場面なのか分かりませんでした。1789みたいだった。
やはりジャンヌは必要
約34年ぶりに再登場したジャンヌですが、やはりこの役は必要ですね。
物語にメリハリがつきました。
そのおかげで、これまでの(今これ何の時間だろう)みたいに虚無になる瞬間が無かったです。
ジャンヌ役の、はばまい(音彩唯)がめちゃくちゃ上手でした。
ただ、惜しいのがせっかくのジャンヌのソロがカットされていた所。
あれどうしてなんでしょう。せっかくギロチン台まで作ったのに、割とあっさり場面変わりましたね。
モンゼットとシッシーナ夫人も下品になりすぎず、オスカルとフェルゼンの強火オタみたいになっていましたね。
客席にまで拍手を募ってくるのは笑いました。
唯一笑いを誘う役ですが、だからこそ、このギロチン台での運命がより恐ろしく際立ちました。
ジャンヌ再登場の功績は大きいです。
フィナーレは退団仕様
アントワネット断頭台の場面から一転、「ばらベルサイユ」の音楽で、赤い薔薇の衣装の下級生達が元気に踊り始めます。
そこに赤い羽根を背負った彩風さん。
ベルばらのパレードでは大羽根は背負えないので、せめてもの配慮なのでしょうか。
物凄く明るい場面で、50人のラインダンスも圧巻。
そして、後半は彩風さんがほぼ出ずっぱりで踊ります。
ダンスが持ち味の彩風さん。
ベルばら本編は、スウェーデン国王の前ではダンスを披露しなかったりと、ダンス少な目に感じましたが、ここで踊りまくっています。
パレードで階段から降りてきた彩風さんが歌うのもフェルゼンの歌ではなく「宝塚我が心の故郷」でした。
退団という事でピッタリだし、同じ曲が使われた2001年の宙ベルばらのオマージュもあるのでしょうか(彩風さんがファンの彩輝直さんが役替わりオスカルとアンドレだった)
退団者のピックアップもあり、次期体制への示唆(衣装の色の違い)もあり、ベルばらでここまで出来るとは、と感心しました。
楽しすぎるパレードだが
最後にパレードが始まり、通常は階段を降りた人たちは舞台に留まるはずなのですが、みんな捌けていく。
(あれ?どうした?)と思っていると後ろの扉から出演者たちがワーと入ってきて、しばらく通路に留まって手拍子まで煽ってくるという神演出。
まさかタンタタンのリズムとは思わなかった。
私はめちゃくちゃ幸運な事に、今回SS席で観劇できたので、オスカル様が目の前で手拍子を教えてくれるという奇跡の出来事が起こりました。
あれは通路側や1階席は物凄く夢のような演出なのですが、一方2階席は置いてけぼり感が凄いかもとも思いました。
パレードだから2階席には行けないしね。
今回は1幕の最後にフェルゼンが舞台から22列通路まで駆け抜ける演出もあって、これも観えないだろうから、特に1階と同じ値段の2階S席では不満が出てしまうかもなと。
今度は2階席のチケットがあるので、どう観えるのか、またレポートしたいと思います。
今回1階通路側や、22列を持ってる人は物凄くラッキーだと思います。
さいごに
めちゃくちゃ長くなってしまいました。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
まだまだ書きたい事は沢山あるのですが今日はこの辺で。
また出演者の感想なども書いていきたいと思います。
今の雪組でベルばらを上演するのは最適すぎるくらい、全員役に合いすぎていて、それも楽しめた要因の一つだなと思っています。
早くまた観劇したいです。
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